今回は、VyOSのインストール手順を書いていきます。
まず初めに、VyOSとは何かについて書くので、VyOSのダウンロード/インストール方法だけ知りたい方は『VyOSのダウンロード』という個所まで飛んでください。
VyOSとは
VyOSとは一言で言ってしまうと、「仮想ルータ」です。厳密に言えば、オープンソースのネットワークOSなので、ルータ以外の機能もありますが私は使用したことないので割愛します。
検証や勉強などでルータの動作/挙動が見たい場合、この仮想ルータであるVyOSを使用するとコストも時間もかからず構築することが可能です。
一般的な物理的なルータを準備するのは、会社の資産で既にあるとか、よほどマニアックな人でないと簡単には準備できません。ただVyOSはソフトウェアルータなので、仮想マシンとしてルータを使用することが出来ます。
現に私も会社でこのVyOSを使用して、スタティックルートの検証を行いました。使い方は色々ありますが、とにかく便利なので入れてみることをおすすめします。
VyOSのダウンロード
下記のURLにアクセスします。
赤枠の「Rolling release」を選択します。
赤枠の「Download Rolling Release」を選択します。
一覧が出てくるので、好きなのを選択しクリックします。ただし好きなのを選ぶと言っても、一番後ろに「iso」としか書いていないものを選びます。それの他の違いとしてはバージョンかと思います。私は一番上のものを選択しました。
自動インストールが始まりまるので暫く待ちます。ダウンロードが完了したらVyOSの仮想マシンを新規作成します。
自分の環境はesxi 7.0ですが、VirtualBoxの人もいると思うので、その辺は適時変えて作成してください。大体は下記のような「仮想マシンの作成」と書かれてあるので、そちらをクリックして仮想マシンを作成します。
isoをアップロード
※上記でも書きましたが、今回VyOSの仮想マシンを作成するのはesxi 7.0です。esxi 7.0以外で仮想マシンを作成する方は、この記事とは作成方法が違います。
インターネットで「VirtualBox 仮想マシン 作成方法」などと調べるとヒットするので、そちらを参照してください。仮想マシンを作成した後の設定などは一緒です。
仮想マシンの作成できる方は、『VyOSのインストール』箇所まで飛んでください。
赤枠の「ストレージ」を選択します。
赤枠の「データストアブラウザ」を選択します。
対象のストレージ及びisoを配置するフォルダ(ディレクトリ)を選択し、左上にある赤枠の「アップロード」を選択します。今回は「iSO」フォルダにvyosのisoイメージを置きます。
ポップアップでローカルのフォルダが表示されるので、先ほどインストールしたisoファイルを選択し、「開く」をクリックします。
アップロードが始まりますので暫く待ちます。
アップロードが完了しましたら、対象のisoファイルが存在することを確認します。
VyOS用の仮想マシン構築
※上記でも書きましたが、今回VyOSの仮想マシンを作成するのはesxi 7.0です。esxi 7.0以外で仮想マシンを作成する方は、この記事とは作成方法が違います。ご了承ください。仮想マシンを作成した後の設定などは一緒です。
仮想マシンの作成できる方は、『VyOSのインストール』箇所まで飛んでください。
赤枠の「仮想マシンの作成/登録」をクリックします。
「新規仮想マシンの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
「名前」の箇所は適当に入力します。私はそのまま「VyOS」と名前を付けました。
「ゲストOSファミリ」は「Linux」。「ゲストOSバージョン」は「Debian GNU/Linux 9(64ビット)」を選択しました。
ゲストOSバージョンの方は自信がないので、分かる方がいればそっちの方がいいかもしれません。一応、「Debian GNU/Linux 9(64ビット)」を選択して動くことは確認済みです。
入力を終えたら「次へ」をクリックします。
「ストレージの選択」ですが、私は一つのデータストアしか作成していないので、それを選択します。
選択を終えたら「次へ」をクリックします。
「設定のカスタマイズ」についてはデフォルトで行います。設定を変えたい方は自由に変えてください。
ただし注意点は下記2つです。
「CD/DVD ドライブ」を選択すると、「データストアisoファイル」という項目が出ます。クリックするとポップアップが出現しますので、【isoをアップロード】で行った際のisoを選択します。
全て完了したら「次へ」をクリックします。
一覧が出てくるので問題がなかったら「完了」を選択します。
VyOSのインストール
インストールが無事完了したら、「アクション」→「パワー」内にある赤枠の「パワーオン」をクリックします。
赤枠内をクリックするとコンソールが立ち上がります。
Live(amd64-vyos)を選択するとインストールが始まります。
左下の赤枠のようにログイン画面が表示されるので下記を入力します。
- ユーザー : vyos
- パスワード : vyos
初期インストール時はユーザ名もパスワードも「vyos」だそうです。
入ることが出来ました。
VyOSをディスクにインストールするため、下記コマンドを入力します。
install image
下記のように質問が出てくるので「yes」入力します。ちなみに質問の意味は「続行しますか?」です。
次は「Partition (Auto/Parted/Skip) [Auto]:」という質問です。こちらは恐らくパーティションをどうするのかを聞いていると思います。特に指定がなかったら自動の「Auto」を入力すれば問題ありません。
特に指定せず「Auto」にしたので、「Install the image on? [sda]:」と出力されました。sdaにインストールイメージを配置して良いかを問われているので、「sda」と入力します。
「Continue? (Yes/No) [No]:」と出力されるので「yes」を入力します。
「How big of a root partition should I create? (2000MB – 17179MB) [17179]MB」と出力されるので、特に指定はないので「17179」を入力します。
こちらはルートパーティションの大きさを問われているもので、上記の数字は人によって違います。[○○]の中のサイズが作成できる最大の値となるので、それ以下であれば好きな数字で問題ございません。
特に指定したい人以外は[○○]の中の数字を入力したら良いと思います。キャプチャは撮れてませんでした。すみません。
「What would you like to name this image? [1.3-rolling-202012141037]:」と出力されます。
ここではイメージの名前をどうしますか? と尋ねられています。私は「vyos1.3」とつけます。そこはお好きにしてください。
「Which one should I copy to sda? [/opt/vyatta/etc/config/config.boot]:」と出力されます。
問われているのは、[]内のどれをsdaにコピーしますか? と尋ねられています。すみません。正直、私は理解できませんでした。一応、私は表示されているもの全てを入力しました。
「Enter password for user ‘vyos’:
Retype password for user ‘vyos’:」と出力されます。
パスワードをどうしますかと尋ねられています。1つ目で自分の好きなパスワードを入力します。2つ目で入力されたパスワードが間違っていないことを確認しています。
「Which drive should GRUB modify the boot partition on? [sda]:」と出力されます。
直訳で、「GRUBはどのドライブでブートパーティションを変更する必要がありますか? [sda]:」のため、[]内の「sda」を入力します。
「done」という文字とともにプロンプトが返ってきました。
これにてインストール自体は完了です。
インストール後処理
インストールが終了したら、isoイメージをアンマウントしなければなりません。次に起動させたとき、またインストールが始まってしまうからです。
「アクション」→「ゲストOS」→「シャットダウン」を選択します。
間違って違う仮想マシンをシャットダウンさせないように気を付けましょう。
「はい」を選択。
「アクション」→「設定の編集」をクリックします。
「CD/DVD ドライブ」の「データストアISOファイル」の右横「接続」にチェックが入っていないことを確認します。
チェックが入っていたらチェックを外します。
変更した場合は「保存」。何もしていなかったら「キャンセル」をクリックして閉じます。
これで一旦、VyOSのインストールは完了です。
次は初期設定等を書いていきます。
チェックを入れていないのと、当たり前ですがネットワークには繋がりません。
ここでOSを選択しないと、インストールは始まりません。